松山地区SHF研究会 技術担当幹事
JA5GYU 近藤恒幸
昨年より、JA1AKA:荒川さんが計画されていました西日本最高峰「石鎚山:標高1982m」 ATV移動運用に、松山地区SHF研究会がご支援することになりました。
ATV運用できる局が、山頂と地上部隊にわかれてバックアップ体制をとりました。
久しぶりにATVを運用する局もいました。
石鎚山からの移動日は、行事や天候のことを考え、8月12日(日曜日)に決まりました。
計画を進めて行くといろいろアイデアも湧いてくるものです。
石鎚山頂移動以外にも、おもしろい企画が出来ました。
8月10日 | 本州・四国連絡架橋上を歩いてATV運用 |
8月11日 | 松山城天守閣建物内からATVお忍び運用 |
8月12日 | 石鎚山に登山し、山頂からATV広域運用 |
8月13日 | 八幡浜港から別府港まで、ATV洋上運用 |
当初から、荒川さんとともに石鎚山にお供し、機器の担ぎ上げができる局いるか心配でしたが
日が迫るにつれて増加し、最終的には6局(内YL2局)になりたのもしくなりました。
荒川さんとは、電子メールを通じてスケジュールや設備、運用方法の打ち合わせを幾度なく
行いました。
石鎚山山頂からは、1200MHz,2400MHz,5600MHz,10.1GHzを運用することにしました
松山地区SHF研究会は、2400MHzと10.1GHzのATVを分担することになりました。
荒川さんは、山頂ATV運用が豊富で、大変スマートで高性能な設備ですが、私どもは現状の
設備を使うため、重量(全部で30Kg)がかさみます。
人海戦術でみんなで手分けをして担ぎ上げることにしました。
■ 8月10日 [本州・四国連絡架橋上ATV運用]
JA1AKA:荒川さんはAM08:45分、空路松山入りされました。
到着後、市内に最近新設されたばかりの5GHzリピターJP5YCKをご案内しその後「西瀬戸
自動車道」(愛媛県今治市から広島県尾道市)通称しまなみ海道にご案内、来島第三大橋架橋
(全長1570m)から1200MHz−ATV運用を行いました。
荒川さんの同行は、JR5EEK局、交信の相手は今治市内に移動したJA5GYUでした。
橋の上で運用している二人の様子や、通行する人、車、自転車とともに、真っ青の空、美しく澄ん
だ海などがカラー画像でFBに写し出されました。
橋の全景がよく見える海辺の料理屋で遅い昼食をした後、松山市へ戻りました。
PM6時から、道後温泉街にて松山地区SHF研究会主催で「JA1AKAさんご来松歓迎会」
を行いました。
荒川さん力作のダンボーラの製作技術とアイデアにすっかり感心しました。
また、5GHz〜24GHzの「ヘンテナ」を見せていただき、その精巧さにびっくりしました。
■ 8月11日 [松山城天守閣建物内からATVお忍び運用]
松山城は、海抜132m 日本三大平山城の一つで「姫路城、和歌山城、松山城」国指定重要
文化財でなかなか管理が厳しく、その中お忍びで1200MHz−ATV運用を行いました。
同行は、JR5EEK局、交信の相手は松山市内の各局と移動局でした。
JA5JSU | M5C×2 | 距離3Km | 松山市 |
JA5MX | M5C×2 | 距離6Km | 伊予市 |
JA5REF/5 | M5C×2 | 距離10Km | 温泉郡重信町移動 |
JA5GYU/5 | M5C×2 | 距離15Km | 〃 |
運用後、JR5EEK宅で小休止したあと、上浮穴郡面河村の宿舎にご案内しました。
■ 8月12日 [石鎚山に登山し、山頂からATV広域運用]
松山地区SHF研究会の登山隊メンバー6局は、早朝各家を出発し登山道路入り口に7時に
集合しました。
登山道路のゲートが開くと同時に、車で最終駐車場(海抜1492m)まで移動し荷物を分配
し全員で記念撮影した後、すぐに登山を開始しました。
登山隊メンバーは、JA1AKAさんを始めJA5GYU,JA5IDH・JA5JSU・JA5MFY(YL局)
JR5IFA(YL局)、JR5MRTの総計7人でした。
石鎚山の登山経験の豊富な、JA5IDH局を先頭に日常会話を交わしながら楽しく登頂しました
最初はなだらかで平坦な道でしたが、最後の1Km?は垂直に近い岩場の登山道でした。
元気のいいJR5MRT局は、重い荷物をしょってひとりすいすい鎖場を登っていきました。
他の人は、周り道をして3時間弱で山頂に到着しました。
残念なことに、山頂は自然公園の工事中でドラム缶やショベルカー、工事柵があたり一面あり
また、山頂は、曇りで時々小雨がふり気温は18度でした。
11時半ごろから、15時ころまで各バンドごとにATV運用を行いました。
交信相手局 | |||
JA5REF | M5C×2 | 距離26Km | 温泉郡重信町自宅窓から |
JA5MX/5 | M5C×2 | 距離31Km | 松山市移動 |
JA5RVY | M5C×2 | 距離37Km | 松山市「成願寺」 |
JR5EEK | M5C×2 | 距離31Km | 松山市 |
JA5FDR/5 | M5C×2 | 距離45Km | 高知県土佐市移動 |
JA6LXR/6他 | M5C×2 | 距離165Km | 大分県大分郡移動 |
(マイクロウェーブ大分6局) |
山頂からは、1200MHz,2400MHz,5600MHz,10.1GHzの各バンドを運用し、予定して
いた交信スケジュールは、すべて成功しました。
連絡周波数にて、交信希望局を呼びかけしましたが、応答はありませんでした。
山頂に登った各局も、荒川さんと1200MHz−ATVの交信もしました。
目的達成と、JA1AKA荒川さんの今後のご活躍を記念してビールで乾杯している画像を地上
に送り、地上からもお祝いの画像が届きました。
全員で記念撮影し、午後3時ごろ下山を開始しました。
午後5時半に最終駐車場に着き、急いで車に乗り込み閉門2分前に登山道路のゲートを
一髪で通過でき、松山に向かいました。
■ 8月13日 [八幡浜港から別府港まで、ATV洋上運用]
AM7時20分道後温泉の宿舎にJR5EEK局がお迎えに伺い、JA5GYU局と八幡浜港まで
お見送りいたしました。
八幡浜港で、あわただしく2,4GHzATV運用を行い、AM:10時15分八幡浜港を出航、一路
別府港に向かわれ、JA1AKAさんは船上のひととなられ、JR5EEKが埠頭から1.2GHz-ATV
でお見送りいたし、JA5GYUが八幡浜市の小高い山から10,1GHzATVでお見送りいた
しました。
荒川さんの船上からからのATV信号は、安定していてデッキの様子が手に取るように写って
いました。
その後、マイクロウエーブ大分・JA6LXR隊が待機しており大分にバトンタッチしてファイナル
としました。
みんなそろって楽しい会話をしながらの石鎚登山や山頂で、凍ったビールが熔けるのを待ちな
ながらのATV−QSOは楽しく、全員で乾杯した時のビールの味は最高でした。
山頂での4時間は、あっという間に過ぎ忙しくも楽しい時間でした。
ふだんやっているATV移動と様子が変わり、新しい体験で充実した4日間でした。
荒川さんの、アイデアとバイタリティーに満ちた移動運用は新鮮で今後の運用方法、機器の 製作、携帯技術の素晴らしいお手本になりました。
松山地区SHF研究会として、JA1AKA:荒川さんの今後のご活躍と、ご健勝を期待します。
以 上